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テレマティクスシステムの有効活用による
社有車の「省エネ」と「交通安全」の両立

7.5%減
ガソリン約232kL(原油換算207kL)削減
約3,700万円ガソリン代コストダウン

  • 2015年実績(対前年比)

速度超過違反
有責事故(加害事故と単独事故)の
大幅削減

  • 2015年実績(対前年比)

抱えていた課題の解決に向けて

当社には全国に約160の事業所があり、約2800台の社有車が稼働しています。
このため「事故・違反の撲滅」「ガソリン使用量の削減」は継続課題です。
テレマティクスシステム導入前の2014年までの課題解決に向けた取り組みは、地道な啓発活動が中心でした。また、車両台数の削減にも取り組んでいました。
主に車両台数の削減の効果に比例して毎年着実にガソリン使用量を約2%~5%削減することができていました。
車両台数が微増となる計画の2015年、ガソリン使用量の削減に向けては「全員がより一層のエコドライブを実践すること」が不可欠でした。
しかし、多くの人の“運転の癖”を直すことはとても困難であり、地道な啓発活動に加えて新たな画期的なアプローチを行うこととしました。
それがテレマティクスシステムの導入と運用です。

課題

  • ガソリン使用量削減
  • 事故削減

解決に向けて

“運転の癖”を直す
具体的なアプローチ

導入・運用

テレマティクスシステム、2014年10月に2800台全車両に導入

テレマティクスシステムの活用による社員の安全確保と省エネへの貢献

車両の走行情報を取得できる「テレマティクスシステム」を使用し、社有車の速度超過、急加速・急減速などの運転状況を“見える化”しています。そして、これらの情報をもとに具体的な安全運転指導を行い、交通安全と省エネを実現しています。

テレマティクスシステム導入の最大の目的は社員の安全確保

テレマティクスシステムではGPSの位置情報によって、車の運行管理や動態管理も行うことができます。それによる物流・運送や営業・サービス活動の業務効率化への活用が、多くの企業の導入の主目的としてあげられています。
しかし、当社では何よりも大事な「社員の安全」を確保することを主目的としてテレマティクスシステムを導入しました。

  • 営業・サービス活動は他のシステムを使用しマネジメントを行っています

テレマティクスシステム導入・運用の効果は「交通安全」&「省エネ」

交通安全

速度超過・急加速・急減速の見える化と、具体的な発生回数の抑制指導によって「安全運転」の習慣が身に付きました。

事故・違反の大幅削減につながりました。

省エネ

発進時に急加速をしない運転、急減速をしないための走行速度と車間距離が身に付きました。

無駄な加速や減速をしない「やさしい運転(エコドライブ)」を実践し、燃費の向上につながりました。

従来からの啓発活動も「安全運転」と「エコドライブ」の継続を支えています

週3回の安全運転週報の読み合わせ

安全運転週報の例

交通安全の意識啓発や、具体的な安全確認や行動に関するポイントなどが簡潔にまとめられている安全運転週報を2003年より毎週発行し、各職場で読み合わせを行っています。テレマティクスシステム導入後は、その目的や利点なども盛り込み、理解の促進につなげています。

春と秋の「全国交通安全運動」に合わせて「やさしい運転キャンペーン」の実施

グループ企業全体で、年に2回、春と秋に「やさしい運転キャンペーン」を行い、事故・違反の撲滅やマナー運転の推進を行っています。

テレマティクスシステムによって“運転の癖”を直し、
キヤノンシステムアンドサポートの社有車の省エネ・交通安全の強化を実現しました。

ドライバーとテレマティクスシステム運用担当者の声

ドライバー

カスタマーエンジニア

はじめは会社から管理されているようでいい気持ちはしませんでしたが、自分たちの取り組みで年間のガソリン代が3,700万円削減できたと知り、その効果に驚きました。
運転日報の自動作成機能で事務処理の負担が軽減されるのもたいへん助かっています。
プライベートでもエコ運転を心がけるようになりました。

テレマティクスシステム運用担当者

総務担当者

導入の目的は「何よりも大事な社員の安全」でしたので、全車両に一斉に導入しました。導入準備の際にはテレマティクスについて否定的な意見も寄せられていたため、この目的を社員のみなさんに理解してもらえるように努めました。
運用開始時は、かなりの数の警告メールが送信されていました。私には全車両分が送られてきていましたので確認するだけでも大変でした。
警告メールが送信される危険挙動には、危険回避のための加速や急ブレーキもあり得ますので、実はドライバーしか知らない事情があります。
そこで同じくメールが配信されるドライバーの上司の方々には、叱責ではなく、「社員の安全を一番に考えること」そして「その時の状況を正しく確認すること」をお願いしています。そのうえでアドバイスを行い「運転の癖」を修正するような指導を目指しています。
今では危険挙動メールも導入時に比べて大幅に減少しており、省エネ・コストダウンに繋がっていますが、「社員の安全」に大きく寄与できていることが一番嬉しいです。

環境推進部門

平成28年度の省エネ大賞を受賞するなど、これまでの取り組みが対外的に評価されるにつれ、テレマティクスシステムの効果を実感する社員が増えてきました。また、当社と同じ経営課題を抱えているお客さまへの課題解決に寄与していきたいです。