高速移動する被写体をゆがみなく捉える約1,900万画素CMOSセンサーを発売高感度・高画質・高速を求める産業用途や監視用途に対応
2022年12月14日
キヤノン株式会社
キヤノンマーケティングジャパン株式会社
キヤノンは、CMOSセンサーの新製品として、 “LI5030SAC(カラー)/LI5030SAM(モノクロ)/LI5030SAI(カラー・近赤外線)/LI5030SAN(マイクロレンズ・カラーフィルターともに非搭載)”を2023年1月下旬に発売します。
近年、さまざまな産業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進や、安心・安全に対する社会的な関心の高まりから、産業用カメラやネットワークカメラの需要が増大し、それらに搭載する高性能なイメージセンサーが求められています。新製品は、グローバルシャッター機能を搭載し、35mmフルサイズで約1,900万画素の多画素と、約58fpsの高速な撮像性能を実現しています。港湾・鉄道などにおいて昼夜問わず監視する用途や、顕微鏡による微小構造の観察、工場における部品の検査などの産業用途といった幅広いニーズに対応します。
おもな特長
グローバルシャッター機能の搭載に加えて約1,900万画素の多画素と約58fpsの高速な撮像性能を実現
新製品は、被写体またはカメラ自体が高速で移動しながら撮影を行う場合でも、被写体をゆがみなく正確に撮像することができるグローバルシャッター機能を搭載しています。また、4Kの約2.3倍である有効画素数約1,900万画素(5,688×3,334)による広視野・高解像度での撮像を実現します。さらに、一般的に画素数が多くなると読み出しに時間がかかり、フレームレートが低下する課題に対し、センサー内の駆動回路と信号処理回路を高速化することで、約58fps(全画素出力時)の高速読み出しが可能です。
画素サイズ6.4μmによる高感度・高画質を実現
画素サイズが一辺6.4μm※1と大きいため、光の利用効率が高く、高感度を実現しており、夜間における監視など暗い環境下での撮影が求められる場面でも明るい画像を取得することができます。さらに、キヤノンがイメージングのリーディングカンパニーとして長年培ってきたセンサー技術によりノイズを抑えることで、広いダイナミックレンジを実現しており、建物の出入り口など明暗差が大きい環境でも、高画質な撮像が可能です。
さまざまな産業用途に対応するラインアップ
産業用途の幅広いニーズに対応できるよう、カラーの“LI5030SAC”、モノクロの“LI5030SAM”に加えて、可視光域と近赤外線域が同時に撮像できる、交通監視用カメラや産業用カメラ向けの“LI5030SAI”、マイクロレンズおよびカラーフィルターが非搭載で、電子顕微鏡やX線検出カメラでの活用が可能な“LI5030SAN”を発売します。
“LI5030SAN”と同等の性能を持つキヤノンのセンサーは、日本電子株式会社の電子顕微鏡用CMOSカメラ「SightSKY(EM-04500SKY)」に搭載されています。
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1マイクロメートルは、100万分の1メートル(=1000分の1mm)。
〈キヤノンのセンサーに関するコメント〉
日本電子株式会社 取締役兼専務執行役員 田澤 豊彦 様
“LI5030SAN”と同等の性能を持つキヤノンのセンサーを、電子顕微鏡用CMOSカメラ「SightSKY(EM-04500SKY)」に搭載しています。電子顕微鏡は、可視光より波長の短い電子の束を試料に照射し、像を拡大して観察します。照射した電子の影響で試料が動いてしまう場合でも、グローバルシャッター機能をもつ高フレームレートセンサーの恩恵で、試料中の観察対象物をゆがみなく、高精細に撮影できる電子顕微鏡用カメラを開発することができました。また、キヤノンのセンサーは、高感度かつ低ノイズなので、電子線量を抑えて照射することが可能となり、細胞など壊れやすい試料の観察にも適しています。今後、大学や研究機関など多くのお客様先での活用が期待されます。
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