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さらなる応対品質の向上へ。お客さまに寄り添い続けるキヤノンカスタマーサポートのあくなき追求

2024年9月5日

キヤノンMJの「いま」

製品やサービスを利用していて困りごとが生じた──、そんなとき、電話やチャットなどですぐに問い合わせができるコールセンターがあると安心しますよね。キヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)グループで、そんなコールセンター業務を担っているのがキヤノンカスタマーサポート(以下、キヤノンCS)。キヤノン製品・サービスおよび関連機器に関するお問い合わせの約80%を受け、購入前・購入後のご相談、修理受付などのサポートを行う心強い存在です。

窓口となるコミュニケーターの応対品質の高さが認められ、企業を対象にした企業電話応対コンテストでは3年連続して賞を受けている同社。現状に甘んじることなく、よりお客さまに寄り添う応対を追求し続けているといいます。今回、お客さま応対の品質向上を推進する酒井 敦子さんと齊藤 香奈子さんに、コールセンターのいまとこれからについて聞きました。

業界団体も認めるキヤノンCSのコールセンター

キヤノンカスタマーサポート 応対品質推進課 酒井 敦子 (左)、BtoCセンター推進第一課 齊藤 香奈子 (右)

まずはお二人の自己紹介をお願いします。

酒井:応対品質推進課の酒井と申します。コミュニケーターの応対品質の向上を目指し 、お客さま応対の評価や、品質向上の立案・実施に取り組んでいます。コミュニケーターとは、電話やメール、チャットなどでお客さまと接する担当者のことを指します。キヤノンCSではお客さまのお困りごとを解決する際、コミュニケーションを重視していることからこのように呼んでいます。

齊藤:BtoCセンター推進第一課の齊藤と申します。コールセンターで解決できないご相談のエスカレーションや、センターで収集したVOC(Voice of Customer/お客さまの声)の取りまとめ、報告などに携わっています。今の部署にくる前は、入社から14年間、コールセンターのコミュニケーターとして直接お客さまからのお問い合わせに対応していました。

  • エスカレーション:コミュニケーターが一次対応できない案件を、コミュニケーターのサポートを担う者や責任者、当該案件の担当部署などに引き継ぐこと

キヤノンCSのコールセンターには、どのくらいの相談がくるのでしょうか?

酒井:キヤノンCSのコールセンターは、札幌・秋田・幕張・品川・大阪・福岡の全国6拠点で運営しています。キヤノン製品・サービスの操作説明や障害に対応する「お客様相談センター」と、保守契約顧客専用窓口の「カスタマーセンター」に分かれ、電話・メール・チャットでお客さまサポートを行っています。

齊藤:コールセンターには、個人および法人のお客さまから、合計 約163万件(年間2023年実績)のご相談があります。私が携わっている個人のお客さまからのお問い合わせの場合、インクジェットプリンターに関するご相談が最も多いですね。

2023年度の「第26回 企業電話応対コンテスト」で優秀賞を受賞されたと伺いました。3年連続の受賞でシルバーランク企業にも認定されましたね。

酒井:ありがとうございます。企業電話応対コンテストは、電話応対のコンテストとしては国内最大規模のもので、2021年度から3年連続で優秀賞をいただきました。お客さまと向き合うコミュニケーターの応対品質が評価され、社外にも認められたことはとても嬉しいことです。

  • 企業電話応対コンテスト:日本電信電話ユーザ協会が毎年実施するコンテストで、同協会の専門スタッフが抜き打ちで(お客さまとして)電話をかけ、その応対品質を評価する

お客さまに寄り添えるサービスを具現化する二つの取り組み

コールセンターで行っている具体的な取り組みも教えてください。

齊藤:私たちが注力している取り組みの一つに「製品やサービスの品質の向上」があります。具体的には、お客さまの声や行動データを収集・分析し、製品担当部門と共有する定例会を毎月設けています。修理関連の内容であればサービス&サポート部門へ報告、製品の品質に関するものであれば製造元であるキヤノン株式会社(以下、キヤノン)に伝えてもらう、といった流れですね。

さらに、キヤノンの開発部門との意見交換会も年2回ほど開いており、お客さまからの声を直接、研究・開発・生産の現場へフィードバックしています。たとえば、インクジェットプリンターの操作画面に関して、シニア層を中心としたお客さまからのご相談が多いことをこの交換会で議論したところ、それが発端となって「かんたんモード」という新たな機能が搭載されました。

また、お客さまにより快適に製品・サービスをご利用いただけるよう、マニュアルやFAQの内容を改善するといったことも、キヤノングループ一体となって取り組んでいます。

キヤノンCS コンタクトセンター

なるほど。キヤノングループが一体となって、製品・サービスの品質向上に努めているのですね。応対品質向上の取り組みについてはいかがでしょうか?

酒井:応対品質向上については、まずコミュニケーターの応対音声をランダムに抽出し、それを9つの評価項目からなる独自の評価システムで分析しています。項目には「話し方」「傾聴」といった基本的な応対スキルに加え、「サービスマインド」「解決に向けた案内」などお客さまのお役に立つという意識を測るものもあります。さらに製品や窓口の知識を評価する項目も設けています。そこで評価分析したレポートを基に、コミュニケーター一人ひとりにコーチングを実施して、応対品質の向上につなげています。

お客さまのニーズに応える応対品質の維持・向上を実現するため、常に意識していることがあれば教えてください。

酒井:私たちが特に大切にしているのは、お客さまに「寄り添う」ことですね。「寄り添う」という言葉自体は少し曖昧な意味を持つかもしれませんが、私たちが考える「寄り添う」は、お客さまが何を望んでいるのかを汲み取り、お客さまにとって最適な方法で、すみやかに解決に結びつけることを指します。

齊藤:そのためにも、お客さまが何に困ってご相談いただいているのか、何を解決したいのか、を見極めることが応対品質向上の大きなポイントになります。

キヤノン愛にあふれる仲間とお客さまの「ありがとう」に支えられて

お客さまアンケートを実施した際70%以上が「満足した」という回答だったと伺いました。この70%以上という数字は、一般的なコールセンターとしてはかなり高い水準ですね。これだけの高い顧客満足度を実現している現場の方々についても教えてください。

齊藤:コミュニケーターにはさまざまなタイプがいますが、私が特徴的だと思うのは、カメラはもちろん、キヤノン製品が好きという「キヤノン愛」にあふれている人がたくさんいることでしょうか。仕事だからではなく、自分が好きな製品を皆さんにも心地よく使ってもらいたい、そんな気持ちで働いているコミュニケーターが多いと思います。

例えば、カメラが大好きで、プライベートでよく撮影に出かけるスタッフも多くいます。先日も、太陽フレアの影響により全国でオーロラが観測された際、秋田事業所のスタッフが現地まで撮影に行っていました。イメージだけではなく、リアルに製品を使って体験することで学んだことを生かし、お客さまから撮影テクニックのご相談があった際は自らの経験を基にアドバイスをすることもあります。

酒井:コミュニケーターは、お客さま応対や自社製品・サービスについて研修を受けながら常にスキル向上に努めていきます。段階的に学べる人材育成システムやフォロー体制は、私たちキヤノンCSの誇れるところであり、長く勤めるスタッフが多い理由の一つだと思います。

コールセンターはお客さまと向き合う、いわば最前線であり、簡単に解決できない相談ケースもあるでしょう。それでもコミュニケーターを続けてこられた、やりがいなどがあれば教えてください。

齊藤:酒井が先にお話しした通り、私たちは、お客さまが何を望んでいるのかを汲み取り、お客さまの状況に合わせた最適な方法で、すみやかに解決へ導くことを大切にしています。そのためには、問題解決を目指して、お客さまの気持ちや状況をしっかりと理解し、察する力が求められます。

お困りごとや状況を正しく把握することで、より良好なコミュニケーションを図ることができます。そのようなコミュニケーションの積み重ねが問題解決につながり、マイナスな感情を持ってご連絡いただいたお客さまでも、最後には「ありがとう」とおっしゃって終話されることもあります。

私自身、そのような経験が多々ありますし、お客さまからいただくたくさんの「ありがとう」は、仕事のやりがいや達成感につながっています。直接お客さまから感謝の気持ちを受け取ることができる仕事だからこそ、今まで続けてこられたのだと思います。

コミュニケーターが紡ぐ、お客さまとキヤノンのこれから

今後、力を入れていきたいことがあれば教えてください。

酒井:応対品質をより効果的に分析できるよう、AIを導入してお客さまとのやりとりをテキスト化するプロジェクトを進めています。テキスト化することで精緻なキーワードの抽出や分析が可能となり、今まで気づくことができなかった課題も見えてくるかもしれません。コミュニケーターの応対品質向上だけでなく、キヤノン製品・サービスの改善もこれまで以上に期待できると思います。

齊藤:デジタル化をさらに推進していくことはもちろんですが、その一方で、システムを充実させるだけでは、真のお困りごとやご要望を正しく見極めて対応することは難しいと考えています。

そこは、これからも私たち“人”がしっかりと受け止め、ご相談をお寄せくださるお客さまに、快適・安心をご提供できるよう努力を続けます。それが、私たちが大切にしている「寄り添う」姿勢であり、これからもそうあり続けたいと思っています。

「寄り添う」姿勢は、私たち消費者にとって大きな安心感につながります。お二人のお話から、キヤノンCSが社外からも高い評価を得ている理由がよく分かりました。本日はありがとうございました。