若者の「消費と所有」、今どきの買い物上手って?report2
今の若者にとって“買い物上手”とはどういった人を指すのでしょうか?
第2回ワークショップでは若者の観点から、「モノ」を買う、
そして所有するまでのプロセスと、「モノ」に対する価値観を
どのように捉えているかをレポートしました。
①一年以内に「自分自身で購入したモノ」を振り返る②購入したものの価格と、買ったことで得られた幸せ度をマップにする③上記を自分と同世代の若者へのインタビューから作成して気づきをまとめる④知る〜手放すまでの過程のなかで、若者ならではの特徴的な所有・消費行動をあげる
モノで満たされているこの時代だからこそ、
本当に自分にとって必要なモノなのか
を吟味し、必要でないと判断したモノは買わない。
毎日の日常の中で、いろいろなモノと出会うことは
あるが、日々新しい情報が入ってくるからこそ
「初見で衝動的に買う」というシチュエーション自体が
珍しくなっているのかもしれない。
1年を振り返ったらほとんど何も買っていなかった。カフェや旅行などの体験に使うとお金は残らないし、スマホ1台でできることも多いから、モノを買うことは多くない。
InstagramなどのSNSは常にチェックしており、お気に入り登録をしている人からの情報がベース。中にはpinterestを使っている人もいる。
SNSなどを通じてモノの情報はどんどん入ってくる。それで思わず買ってしまうかというと、案外それらの写真や映像を見るだけで楽しくて満足できてしまう。
- ●自分のためにモノは買わないが、友人や家族のためにモノを買うことが多い。
- ●旅行や体験、友達との時間など、「コト」へは気にせずお金を使う。友人と過ごした思い出も付帯するので、体験消費は満足度が高い。
検討の時に考えるのは自分のキャラや暮らし・価値観にフィットするかどうか。他人からどう見られるかよりも、「自分が自分自身をどう捉えたいか」を大事にする。
SNS閲覧で情報収集し気になるモノを見つけたら、まずお気に入りに登録。その後、保存した映像や投稿を通じてじっくりと吟味。
若者の買い物行動において
「自分が納得できる買い物かどうか」の視点が
重要になってきている。
だからこそ、欲しいものを「探す」ためよりも、
自分の買い物を「肯定する(固める)」ための
情報収集に時間を割いている。
本当に参考になるのは共感できる(=自分と近しい感覚を持っている)人の情報。情報とモノをフィルタリングする以前に、自分が信じて参考にする「人」をフィルタリングする。
- ●買った後にどのように売れそうかを確認するために、買い物前にメルカリをチェックする。万一気に入らなかった時のリスクまで考慮している場合も。
- ●情報を「収集」ではなく「摂取」と表現しているメンバーが。“情報そのものを楽しみ・体験するもの”と捉える感覚が新鮮。
多くのモノを買わないからこそ、買うときは
本当に納得でき、満足感を得られるものを
購入したいと考えている。
そして、その買い物自体を肯定することが、
自己肯定へと繋がっている。
買うこと自体が少ないので、いざ買うときは徹底的に時間をかけ、自問自答をしたうえで購買に至ることが多い。そのため、後々後悔することも少ない。
沢山モノを買わない代わりに、高価なモノを買うという若者も。使用頻度が高く、長く使えるものならば、「1回あたり何円か」と計算することで、結果的にコスパが高いという考え方。
吟味のプロセスを大事にするからこそ、一目ぼれ的な買い方自体が特別に。その体験自体のインパクトも強く満足度も高い。
モノを買う時、そのモノ自体を買う行為や
所有欲で満足するのではない。
そのモノによって生み出される時間や生活、
雰囲気に価値を感じ、その価値が高いほど
幸福度は高くなる。
つまり「生活が変わるか」が
購入の決め手。
“その時”欲しいから、だけではない。自分の生活がどう変わるかを想像し、“未来の自分”が幸せになれるようなモノを購入することが多い。
今回の課題は写真フォルダを見ながら行ったという若者が多数。印象的な買い物や大切な貰い物は、購入時に自然と写真に撮っていてその瞬間のトキメキと一緒に保存されている。
流行りに全乗りすると個性が埋もれそうな一方で、取り残されるのもイヤ。友達との会話のネタとして流行りを取り入れつつ、適度な距離感を意識している。
- ●所有物は自分のアイデンティティにもなるので、
自分なりの理由がないと簡単には購入しない。
②購入したものの価格と、買ったことで得られた幸せ度をマップにする
③上記を自分と同世代の若者へのインタビューから作成して気づきをまとめる
④知る〜手放すまでの過程のなかで、若者ならではの特徴的な所有・消費行動をあげる