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ドローンを活用した社会課題解決

近年、急速に性能が進化している産業用ドローン。危険が伴う場所や通常のカメラではとらえられない場所の点検・調査など、安心・安全な社会の構築に向けた活用が期待されています。

ドローンとキヤノンの高精細映像技術の連携により課題を解決

キヤノンMJグループは、「先進的な“イメージング&IT”ソリューションにより社会課題の解決に貢献する」というグループミッションを掲げ、事業領域の拡大を進めています。こうした中、キヤノンMJでは「空の産業革命」とも呼ばれる産業用ドローンに注目し、キヤノンの強みである高精細映像が撮影可能なカメラを搭載し、長年培ってきた画像解析技術やIT技術を融合することで、新たな価値の創出を進めています。これまで多くの産業分野、防災分野などにおいて、ドローンで得られたデータをもとにAI技術を使った分析サービスを提供するなど、さまざまな実証実験を実施しています。
国内のドローン市場は、これから本格的な普及期を迎えるとみられています。キヤノンMJでは、これまでにない新しい映像ソリューション提案の実現に向けて、映像機器やクラウド、センシング技術などと連携したソリューションを提案し、社会課題の解決に貢献することを目指していきます。

産業用ドローンPD8E2000-CJ1

安心・安全の向上や業務効率化などを実現

ドローンを活用した業務用途として、近づくことが困難だったり、対象が広範囲にわたるなど、人が直接確認しづらい発電・治水用ダムや工業用プラント、橋梁、防波堤・防潮堤など大規模施設の点検・監視活動が挙げられます。また、地震、火山の噴火といった自然災害発生時や山岳遭難など、危険が伴う場面での災害救助活動・支援活動のほか、原子力発電所の周辺施設の確認、緊急時の地域住民の避難誘導などへの利用も想定されています。
さらに少子高齢化の進行に伴う労働人口の減少に対処するため、多様な産業分野における生産性向上や省力化のシステムづくりへの応用も考えられています。
こうしたドローンを使った取り組みにより、安心して暮らせる社会の実現、緊急時の人々の安全確保、業務効率化による労働コスト削減などに貢献しています。

ドローンを活用した農業の課題解決

就業人口の減少と高齢化の進行により、日本の農業労働力の低下が懸念されています。
キヤノンMJではこうした農業の課題解決のひとつとして、ドローンとキヤノンの映像機器・ITによる解析技術を応用した「葉色解析」サービスを提供しています。
農作物の生育状況の把握は、作物を栽培している圃場全体を一日に何度も見回る必要があり、高齢化が進む農家には負担でした。また、観察結果の判断は勘と経験に頼る部分が多く、科学的分析による生産性向上も課題となっていました。葉色解析サービス「いろは」では、設定した経路をGPS内蔵ドローンが自律飛行し、高画質カメラで撮影を行います。その画像はクラウド経由でタブレットに送られ、いつどこからでも葉の状態を把握でき、専用アプリケーションによって的確な生育状況の分析が可能になりました。

圃場の作物を撮影するドローン
葉色解析のアプリケーション画面

実験事例

AEDを搭載したドローンによる救命率向上を目指す

ドローンは、医療分野における課題解決にも貢献しています。
一般的に心停止状態の患者に対しては、AEDによる電気ショックが1分遅れるごとに救命率が1割下がるとされ、遅くとも5分以内の処置が推奨されています。心臓突然死ゼロを目指している一般財団法人日本AED財団は、ドローンによるAED搬送時間短縮の実証実験を、2018年3月に静岡県小笠山総合運動公園で実施しました。キヤノンMJはこの実験に協力し、早期一次救命処置へのドローンの有用性の確認を行いました。
実験ではイベントで人が倒れたという想定で、人が徒歩や園内カートで現場までAEDを運ぶ時間と、小型ドローンを飛ばして到着するまでの時間を比較するなど、ドローンを使って患者の救命率を向上せさるための課題の把握と分析を行いました。キヤノンMJでは今後も医療の発展のため、ドローンを活用したさまざまなソリューションを提供していきます。

実証実験 主催者の声

東京慈恵会医科大学
救急医学講座 講師 太田 修司様

この記事に関するSDGs

  • 3.すべての人に健康と福祉を
  • 9.産業と技術革新の基盤をつくろう

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