若者の仕事観とは?report10
働き方改革に関する法改正や新型コロナウイルス感染症拡大によって、
働き方だけではなく仕事に対する人々の価値観にも大きな変化がおとずれています。
コミュニケーションにおいても豊富なツールの登場によってオンライン上で
できることが格段に増えた一方で、対面の良さを再認識した
人も多いのではないでしょうか。働き方変革の過渡期とも言える時期に、
学校生活を経験してきた若者はどのような仕事観を持つのでしょうか。
働く形態や価値観だけではなく従来にはなかった職業も登場し、
働くことに対する選択肢が増えつつある中で、
これから社会に出ていく若者にとっての働くとは何か。
若者の仕事観についてレポートします。
・成長にも、納得感。 #自分で自分を認めたい #成長意欲 #VUCA時代 ・大切なのは、日常全体が豊かになること。 #メリハリ #タイムパフォーマンス #公私トータルで考える ・合理的で、本質を考えたい。自分なりの条件がつくこともある。 #本質的 #合理的 #人間関係 ・これから社会に出ていく若者が、抱えている気持ちって何だろう? ・まとめ
成長にも、納得感。
#自分で自分を認めたい #成長意欲 #VUCA時代
#自分で自分を認めたい
#成長意欲
#VUCA時代
人からの評価も嬉しいが、それがすべてではない。自分で自分のがんばりを認められるかどうかが大切だし、仕事の中でも成長を感じたい。
昇進もひとつの成長ではあるが、必ずしも自分の納得感と一致するとは限らない。
褒めてもらえても、できなかったことに対して後悔を感じることもある。自分が成長できたと思えることを褒めてもらえるのが一番うれしい。
自分で振り返った時に成長できたと感じられるかどうかが大切。
ポジティブな成長したい理由ももちろんあるけど、“不安ドリブン”のような理由もある。入社できただけでは安泰ではないし、学び続けないと同じ会社に所属し続ける価値を見出すことが難しいと感じる。不確実なVUCA時代を生きるためにはスキルアップしていくことは必要で、何が起こるか分からないからこそ自分のやりたいことや好きなことを大切にしたい。
大学生と議論する中で、様々な理由はあっても一様に『仕事を通じた成長意欲の高さ』を感じることができました。“成長”についてディスカッションする中で“昇進”というワードが出てきましたが、一般的によく耳にする『若者の昇進欲低下』との関係性はないのでしょうか?なぜ若者が出世したがらないと言われるのか。今回は“成長”というキーワードを元に、15~24歳の若者575名(※1)(以下、若者に対する調査)と30歳以上のオトナ世代1653名(※2)に対して次のような調査を実施しました。
この調査結果から“成長”の捉え方が世代によって異なるということが言えるのではないでしょうか。オトナ世代が昇進という縦方向の上昇を期待することに対して、若者の中には人脈の広がりといった横への展開を期待する人が多いことが特徴的です。またこれまでのワカモノスタディレポートでは若者が「納得感」を物事の前提として考えるという傾向も分かってきています。その前提があるからこそ現代の若者においては仕事を通じた成長意欲と出世欲の高さが比例しないのではないでしょうか。成長という言葉の捉え方と周囲の評価が必ずしも自分自身の納得感と一致するとは限らないと思う若者の気持ちが感じられます。
大切なのは、
日常全体が豊かになること。
#メリハリ #タイムパフォーマンス
#公私トータルで考える
#メリハリ
#タイムパフォーマンス
#公私トータルで考える
限られた就業時間内でバリバリ働いた上で、趣味も充実させたい。オンオフのメリハリをもって生活したい。
仕事をするからには手を抜きたくないし、限られた時間の中で成果を出したい。バリバリ働く活力を得るためには休みもしっかり必要。
プライベートの我慢はしたくないが、プライベートだけを優先したいわけではない。
自分よりもっと上の世代にも心の中では公私どちらも大切にしたい人はいたはず。今は多様な環境に変化したからこそ、両方ともに大事に出来るのだと思う。
イマドキの若者はプライベートを優先するという印象を持つ人もいるのではないでしょうか?大学生と議論する中で、働くことに対する意欲の高さを感じるとともに『メリハリ』『バランス』というワードが多く聞かれました。そこで今回若者に対する調査(※1)では『生産性の向上』という角度からも調査してみました。
生産性を向上させることでより多くの業務やスケールの大きな仕事をこなして評価を得たいと答えた人よりもプライベートの時間確保を理由と回答した人が若干ではあるものの上回る結果となりました。
この調査結果と学生との議論を踏まえると“限られた時間の中で成果を出したい”若者にとっては、仕事とプライベートを天秤にかけたバランスの取り方ではなく、仕事とプライベートをトータルで捉えてメリハリのあるマネジメントを意識することで日常生活全体をより豊かにしているように感じられました。人によっては仕事とプライベートの比率に違いはあっても、両者をすみ分けて別々に考えるよりも総合的に考えていました。
仕事を優先してきた場面も多いオトナ世代から見るとプライベートを優先して見えるけれど、実は若者なりに自分たちの暮らしを最適化しようとしているだけかもしれません。
合理的で、本質を考えたい。自分なりの条件がつくこともある。
#本質的 #合理的
#人間関係
#本質的
#合理的
#人間関係
決まりごとが多い職場でアルバイトをしていたが、どれも形式的な内容で本質はそこなのかな?と思っていた。他にも先輩に言われたことをまずは最優先でこなさなければならない雰囲気で、自分はタスクを俯瞰して優先順位を決めたかったので疑問を感じていた。
飲み会を含めた勤務時間外のコミュニケーションによって構築される人間関係もあると思う。すべての飲み会に拒否感を感じるわけではなくて、自分が行きたいと思えば行くんだけどなぁと思う。
1日、半年、1年と思い返した時に自分が無駄だったと思う時間を過ごしたくない。
自分は出世したい派。でも周りの人との良い関係を築きながら出世していくことが前提にあるので、人間関係をないがしろにするのは違う。
一般的な話として、イマドキの若者は『付き合いが悪い』とか『出世欲が低い』と聞いたことのある方もいるのではないでしょうか?しかしながら、今回議論した大学生にはその一面はあまり感じられませんでした。人間関係を大切にしている印象を受けましたし、相手が納得しないまま強引に物事を進めるやり方を好まないようです。物事の本質に目を向けて考える力や合理的に判断している姿から、『若い時の苦労は買ってでもせよ』という考え方とは異なる価値観なのかもしれません。
これから社会に出ていく若者が、
抱えている気持ちって何だろう?
コロナ禍で自分と向き合う時間が増えたことだけではなく、職業も働き方も多様化して選択肢が増えているからこそ“自分が本当にやりたいこととは何か”考えるようになった。
SNSを開けば簡単に周囲と比較することができるので、やっぱり自分と比べてしまう。やりたいことをやっている人の方がかっこよく見えるし、憧れる。
起業してみたいという気持ちが先ではなくて、自分のやりたいことを極めたいと思った先に起業がある。
SNS上でいろんな人が活動しているので、自分がやりたいことを見つけるヒントにしている。
SNSの普及や情報過多の時代で育ってきた若者にとって、情報は自動的にインプットされることが当たり前。知らない誰かの経験であっても、自分がやりたいことを見つけるヒントにするくらい現代の若者は自分のやりたいと思うことに対する意識が高いことが感じられました。一方で、働くことに関する選択肢が多すぎてやりたいことを決められない人や、意識は高くてもまだ見つけられていないという人も多くいるのではないでしょうか。その人たちを含めても『自分とマッチしているかどうか』は若者にとって重視するポイントの一つのようです。
②あなたが興味深い・特徴的だと感じる “働くことに関する若者ならではの価値観や行動” を教えてください。