若者の生活にある「デジタル観・アナログ観」とは?report5
現代の若者は、インターネットやSNS、デジタルデバイスの普及により
デジタルとは切っても切れない環境で育ってきています。
一方で近年若者の間ではフィルム写真やレコードなど
“アナログなもの”が流行っているそうです。
今回はデジタルネイティブ世代と言われる彼らの生活に存在する
「デジタル観とアナログ観」についてレポートしました。
①デジタル・アナログだからこそ価値を感じるもの、それにまつわる具体的なエピソードなど、ご自身の価値観や経験をもとに教えてください。 ②若者のデジタル観・アナログ観に関して、気になるニュースやトレンドを教えてください。 ③あなたが興味深い・特徴的だと感じる “若者ならではのデジタル観・アナログ観(価値観や行動)”を教えてください。
手間をかけることは
自分の“好き”と向き合える時間
手間や時間をかける行為は、自然と目の前のことだけに集中できる。
コーヒーを豆から挽いて淹れるのは、美味しさだけではなく
淹れている時間そのものに価値を感じるから。
なんとなく過ぎていた朝の10分が、
自分自身や好きなものと向き合える特別な時間になる。
コロナ禍で時間に余裕ができたから
ずっと興味があったハンドドリップに挑戦
自発的にSNSから距離を取る
いつでもSNSやスマートフォンに触れられる環境だからこそ、
意識的に「アナログなもの」や「手間をかけること」に
時間を使うことで自分を見つめ直すきっかけにしている。
今やなくてはならないデジタルツールだが、
身近にあること自体にストレスも感じているよう。
SNS断食
デジタルデトックスで断捨離のようなリフレッシュ感を得る
手間をかけることで
自分らしさを出したい
すぐにSNSで情報を共有できて、それが広まる時代。
デジタルの世界は均質化されているように感じるから、
少しだけ手間をかけることで
「オンリーワン」にしたい。
「アナログ」って“てざわり”とか
“まるみのある感じ”で、異質さがおもしろい
人の存在や自分の感情を
大切にしたい
想いを伝えたいとき、
スマートフォンのスタンプやテキストメッセージだと
気軽に連絡できる反面、オリジナリティがなく流れていく寂しさを感じる。
手紙は便箋選びから相手を想っていて、
そこに人の存在や温かみを感じるから好き。
時間が経って見返したときも、その気持ちを思い出せる。
特別な日にはお手紙を
手書きの看板に温かみを感じる
より効率的により多くの体験を
コンテンツに溢れている時代だからこそ、
他にもっと面白いものに出会えるかもしれないと思っている。
だから、より短い時間でより多くの体験をしたい。
特に動画コンテンツは手に余るほど溢れていて、
当たり前のように倍速で視聴している。
ただ、コンテンツの種類によっては視聴速度を使い分ける場合も。
例えば映画。音楽・映像など細部まで作りこまれている気がするから、
倍速視聴せず時間をかけてそれを楽しみたい。
動画コンテンツは基本倍速で
視聴速度の使い分け
情報収集は
自分の興味がある情報を
より深く知るため
どんな情報でも、インターネットやSNSで検索すれば
すぐに見つかる現代。
自分が好きなものや興味のあることをとことん調べて知りたいし、
それができる環境。好きなものを調べる時間は、
知識を得られる時間でもあるから、時間の無駄とは思わない。
学生の頃:流行りを追うため
社会人になって:自分の好きなものに出会うため・もっと知るため
レコメンド機能は
自分の知らない世界と
出会えるツール
情報が多すぎて、自分が好きなものに辿り着くのが大変なのも事実。
自力では出会えないコンテンツとの出会いがレコメンドの良さであり、
その出会いが楽しいと感じる。
一方、レコメンドを好まない人も。特にネットショッピングは
自分で納得するまで調べて買いたいから、
購買までの間にレコメンドされた情報は余計で煩わしいと感じる。
嗜好に合わせた
心地よいオススメ
知らなかった海外の音楽と手軽に出会える楽しさ
デジタル・アナログの
境界線は曖昧
現代のデジタルベースな生活において
「デジタル/アナログ」という区切り自体が曖昧になっている。
ツールとして使えればどちらでもよくて、特に意識もしていない。
あくまでもテイストとしての
アナログ
アナログは大衆が
使っていない感がいい
欲しいのは
“デジタル手段を前提とした
アナログ体験”
フィルムカメラやキャンプなど、
アナログ回帰と言える流行は間違いなくある。
しかし若者がそれらに求めるものは「ただアナログであること」ではない。
「デジタルを前提としたアナログ体験」である。
若者に人気のフィルムカメラも、
その質感がおもしろい・エモいと感じている一方、
前提としてその一瞬の儚さや思い出を残したいという目的があり、
あくまで「アナログ感」を楽しんでいるだけなのかもしれない。
写真も音楽もノイズとしてのアナログさ
②若者のデジタル観・アナログ観に関して、気になるニュースやトレンドを教えてください。
③あなたが興味深い・特徴的だと感じる “若者ならではのデジタル観・アナログ観(価値観や行動)” を教えてください。
一生続かない、
今このかけがえのない時間
とても楽しい時間だけどこれがずっと続くわけではないとわかっている、でも終わってほしくないと思う。そんなときにエモいねって言う。
SNSで先輩の姿を見ているから、自分の未来が
なんとなく想像できる。
だからこそ今しかないこの時間の価値を感じる。
懐かしいという気持ちだけでは
表しきれない儚さや、
他者への共感
エモいって、懐かしい、感傷的、
たそがれるっていう意味なのかな。
友人のSNSの投稿に対して
エモいってコメントする。
親世代に流行ったものに対しても、
エモいって感じる。
・・・それって自分が体験していないこと。
厳密には「懐かしい」ではなくて、興味深く感じていたり
共感していたりするのかもしれない。
いろいろな意味を
包括している万能さも
「ヤバい」と同じような感覚で使っているかも。
万能な一方でボキャブラリーがないと思われそう。
若者世代に定着している言葉だが、
普段から使う人・使わない人がわかれる印象を受けた。