変革期を迎えるラベル印刷分野に向けてインクジェット技術の集大成といえる2製品を提案
国内最大のラベル関連専門イベント「ラベルフォーラムジャパン2024」出展

![[出展報告] ラベルフォーラムジャパン2024 “持続可能なラベルの未来を拓く” ラベルフォーラムジャパン2024 2024年10月23日(水)~25日(金) 東京ビッグサイト・⻄3ホール](/-/media/Project/Canon/CanonJP/Corporate/profile/communications/event/report/labelforum2024/image/kv-750x464.jpg?la=ja-JP&hash=BC025D56B96AD32D8DCE5E94BD906DD0)
キヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)は、東京・東京ビッグサイト・⻄3ホールで2024年10月23日〜25日まで開催された、国内最大のラベル関連専門イベント「ラベルフォーラムジャパン2024」に出展しました。東京ビッグサイトに会場を移して5年ぶりの開催となった今回のイベントには、連日多くの来場者が訪れました。
本イベントに初めて出展したキヤノンMJは、発表以来話題を集めている産業印刷向けインクジェットラベル印刷機「LabelStream LS2000」と、参考出品となる「8インチラベルプリンター」に関する紹介・展示を行いました。

安定した成長を見せるラベル印刷業界の課題とは
市場の変化やデジタル化の進展により、印刷業界は構造転換の時期を迎えています。そうした厳しい環境の中でも、パッケージ装飾や商品管理に使われる「ラベル」の印刷を担うラベル印刷の分野は、安定した成長を遂げています。一方で、製品の多品種展開、小ロット化、短納期化といったビジネス環境の変化に加え、少子高齢化を受けた熟練技術者の不足という課題に直面する中で、どのようにラベル印刷の生産性を向上していくのか。ラベル印刷業界は大きな変革のときを迎えています。
2024年10月23日〜25日の3日間にわたって東京ビッグサイトで開催されたラベル関連専門イベント「ラベルフォーラムジャパン2024」(主催:ラベル新聞社)には、印刷機からインク、メディア、ラベル加工機まで、ラベル印刷に関わる103社が出展しました。
特に注目を集めたのが、商業印刷、産業印刷の分野に注力するキヤノンの初出展です。キヤノンは近年、オフィスで使われる複合機や家庭用インクジェットプリンターで培ってきたインクジェットやデジタル印刷の技術と知見を生かし、商業印刷・産業印刷の領域に向けた商品開発を積極的に行っています。
高い生産性と発色性がラベル印刷業界で話題を呼ぶ「LabelStream LS2000」
「LabelStream(ラベルストリーム) LS2000」は、2025年に発売を予定しているキヤノン初の産業印刷向け水性インクジェットラベル印刷機です。2023年10月の発表以来、「LabelStream LS2000」に対する印刷業界からの期待の声は想定以上に大きなものです。今回のイベントでも、現在ラベル印刷に取り組む企業だけでなく新規参入を検討する企業も印刷サンプルが展示されたブースを訪れ、ミニステージでの説明に熱心に耳を傾けていました。

「LabelStream LS2000」への注目度が高い理由は、ラベル印刷業界が抱えているさまざまな課題を解決に導くポテンシャルを備えているからにほか他なりません。
キヤノンは印刷の現場で働く方々の声をていねいに反映し、「LabelStream LS2000」の開発を進めてきました。そのポイントは大きく3つ。まず1つ目が、これまで磨き上げてきたデジタル印刷の強みを生かし、簡易なオペレーションフローを実現したことです。これからのラベル印刷に求められる、小ロット、多品種化、短納期への対応を、インクジェット方式のデジタル印刷ならではの技術で、熟練技術者でなくても実現可能にします。


2つ目は、最高で40m/分という高速印刷を安定的に実現した極めて高い生産性です。新開発の長尺プリントヘッドに加え、インクの循環システム、インク乾燥システム、自動メンテナンス機能という、キヤノンが培ってきた技術やノウハウを組み合わせることで可能になりました。
3つ目が、新たに開発した顔料タイプの水性ラテックスインクによる、高い発色性です。紙はもちろん樹脂フィルムなどのメディアに対しても、美しく明瞭な印刷ができるだけでなく、耐スクラッチ性能や耐候性能、食品や飲料に求められる安全性など、ラベル印刷ならではの要求にも応えます。カラーインクの下引きとしても使用できる隠ぺい率が高い白色インクを標準搭載した他、透明なフィルムや風合いのある紙などへの印刷も安定して行えるように工夫した点は、画質にこだわるキヤノンならではの機能です。




キヤノンMJは、「LabelStream LS2000」のこうした特長が、ラベル印刷業を営む特に中小規模の印刷会社における生産性の向上、新規顧客の獲得といった課題解決に大きく貢献できると考えています。
飲料、化学薬品などのラベル内製化に対応した「8インチラベルプリンター」を参考出品
キヤノンMJのブースでは、キヤノンファインテックニスカが開発を進めている「8インチラベルプリンター」を参考出品として展示しました。

2024年11月現在、キヤノンファインテックニスカは4インチ幅のメディアに対応した「LX-P5500」「LX-D5500」、2インチ幅のメディアに対応した「LX-P1500」の3機種のカラーラベルプリンターをラインアップしています。今回展示したカラーラベルプリンターは、その流れをくみながら8インチ幅のメディアに対応したモデルです。

近年さまざまな分野で多品種・小ロット化が進んだことで、必要なときに必要な枚数のラベルを印刷でき、ラベルのデザインや掲載する情報の内容を柔軟に変更できるラベルプリンターに対するニーズは高まっています。内製化の動きは今後、より一層進んでいくでしょう。
「8インチラベルプリンター」は、そうしたラベル印刷の内製化を進める中小規模の食品・飲料メーカーや化学薬品メーカー、さらには青果卸売り、機械部品製造、医療品、流通などの企業を主なユーザーとして想定したモデルです。
従来機を上回る8インチ幅のメディアが利用できる「8インチラベルプリンター」は、高発色の顔料インクの採用により高濃度・高発色な色再現や耐水性、擦過性を実現しています。また、食品や飲料に求められる安全性など、ラベル印刷ならではの要求にも応えます。
オフィスや工場、倉庫などの一角に設置できる筐体サイズであり、メンテナンス性や使い勝手のよさも特徴です。例えば、大容量インクタンクは交換の手間を削減します。現場の声を反映してフロントアクセスを可能とした筐体構造は、メンテナンスの際に機体の横や後ろに回り込む必要がなく、運用に必要なスペースが最小限になります。
本体の設定やラベルのデザインについては、専用のラベル作成ソフト「LabelCreate SE(ラベルクリエイトSE)」に対応し、生産性の向上に大きく寄与します。


ブースでの展示では、クラフトビールのブリュワリーでの活用や、化学品の危険有害性を示すGHS(Globally Harmonized System)ラベル印刷における有用性が示され、来場者の耳目を集めていました。



今回の「ラベルフォーラムジャパン2024」には、2019年の開催時の75%増に当たる過去最高の8,813人が来場し、大きな盛り上がりを見せました。キヤノンが今後変革の時期を迎えるラベル印刷業界のデジタル化や生産性向上にどのように貢献していくか、ぜひご注目ください。