札幌市立中央小学校校舎の思い出プロジェクト 実施事例
2019年12月に、札幌市立中央小学校にて、「校舎の思い出プロジェクト」を実施しました。
札幌市立中央小学校の先生方にお話を伺いました
小学校の歴史についてお聞かせください。
前身は明治36年に開校した「東小学校」と明治42年に開校した「東北小学校」です。昭和42年、両校の校舎の老朽化、周辺地域の人数の減少を踏まえて合併が検討され、昭和44年に札幌市内2番目の統合校として誕生しました。この頃の学級数は31学級でした。 その後、学級数は減少していきますが、近年は創成東地区の再開発、交通の利便性の向上も伴って人口は増加傾向にあります。今回の校舎改築も、今後の児童増を見通したものになっています。
「校舎の思い出プロジェクト」のサポートプログラムはいかがでしたでしょうか。
「壁に描く」という日常では体験できないプログラムは、子どもたちにとって思い出深いものになったと思います。
また、画材もたくさん提供していただいたことにより、描くことにより興味をもって、のびのびと活動できました。
写真教室についても、御教授いただいたおかげで、大人では着目できない瞬間を切り取った写真がたくさん生まれました。
特に印象に残っているエピソードなどあれば教えてください。
普段はやんちゃな男の子達が、積極的に「先生、僕手伝います!」とガッシュの調合を手伝ってくれた学年がありました。また、6年生は実行委員会が中心となって一つの絵を作り上げたのですが、絵が得意な児童も苦手な児童もそれぞれの関わり方を考えて作る姿は、まさに「OneTeam」と言える姿でした。
みんなで一つの絵をつくる活動を通して、声をかけ合ったり画材を貸し借りしたりしながら、子どもたちの中に協力や連帯感が生まれました。
学校の壁という本来描いてはいけない場所に、初めて子供たちが描いていくときはどのような反応でしたか。
一昨年、体育館を先行して改築しており、旧体育館の壁に卒業生が絵を描くという取組がありました。また、工事中の校舎を取り囲む作業用壁に、自分たちのクラスで考えた絵を拡大してプリントしていただく取組もありました。このように、本校では校舎改築に合わせて段階的に思い出に残る取組を行っているため、「壁面に絵がある」という状態にはあまり抵抗感はなかったように思います。
それでも、新品の刷毛を手に壁に描く作業は、わくわくしながら取り組んでいた児童が多かったです。
子供たちが撮影した写真(or 撮影しているところ)をご覧になって、いかがでしたか。
大人でも扱いに慎重になるくらいのカメラだったので、始めは「大丈夫かな。」とこちら(教師)が不安でしたが、子どもたちにはそんな気負いも無く、自然に扱いに慣れていく様子が印象的でした。また、大人ならば「こんな構図で撮ろう。」といったようなことをあれこれ考えてから撮る場合が多いと思いますが、子どもはいわば「感覚的」にシャッターを切っていることが多かったです。かえってその方がいい写真が撮れる場合があって、新たな発見でした。
このように、普段の学習では見られない、子どもたちの魅力や可能性を感じた先生が多かったと思います。
児童や保護者の皆さん、地域住民の方の反応はいかがでしたか。
先行して取り組んだ6年生の絵を見学して、下の学年の子どもたちは期待に胸を膨らませていたと思います。
全校での取組を通して、子どもたちが描くことの楽しさを十分に感じてくれたはずです。
また、時間割を見て作業のお手伝いに来た保護者の方、参観日に来た保護者の方にも楽しんで見ていただけたのではないかと思います。
今後、「校舎の思い出プロジェクト」を多くの小学校にて展開をしていきたいと考えております。このプロジェクトに今後期待することや、メッセージがございましたらお聞かせください。
どの学校でも新しく取り組むべき教育的課題も多く、年間カリキュラムもタイトな中、こういった活動を円滑に進めるには、綿密なスケジューリングや、学校関係者・サポート企業それぞれの役割分担が求められていくと思います。
このプロジェクトの展開にあたっては、より知恵を絞っていく必要があると思います。