高松市立香南小学校校舎の思い出プロジェクト 実施事例
2024年7月に、高松市立香南小学校にて「校舎の思い出プロジェクト」を実施しました。
高松市立香南小学校の先生方にお話を伺いました
小学校の歴史についてお聞かせください。
もともと由佐村と池西村が合併して香南町になりました。香南町になってしばらくして建てられた今の校舎も約60年を迎え建て替えることになりました。その間、1989年(平成元年)には高松空港が開業し、香南町は、その玄関口となりました。また、2006年には、高松市と合併し「高松市立香南小学校」となり、現在に至っています。(黒川校長先生)
「校舎の思い出プロジェクト」を行うことになったきっかけについてお聞かせください。
昨年度の6年生に「この校舎がなくなる」と話したときに「校舎との思い出作りがしたい。思い出いっぱい作ろう会を開こう!」と答える児童がいました。そこで、「校舎との思い出いっぱい作ろう会」ではどんなことがしたいかを話し合った時に、「校舎に絵を描きたい」という意見が子どもたちから出されました。タブレットでどんなイメージかを調べると、「校舎の思い出プロジェクト」が見つかり、そこから校長先生にお願いして今回のイベントをすることに決まりました。(堺先生)
「校舎の思い出プロジェクト」のサポートプログラムはいかがでしたか?
これまで日本各地で実施した豊富な経験をもとに、準備物やイベントの流れ、実施上の留意点、許諾書の取り方など様々なアドバイスをいただいて、本校の希望に沿った計画を立てることができました。(校長先生)
特に印象に残っているエピソードなどあれば教えてください。
2年生は、1つの空き教室を使って、壁や床、天井にまでペイントしていきました。1回目は、身の回りの用具(ローラーや水鉄砲、ブラシなど)を使って、スプラトゥーンのように空間を彩りました。どんな世界ができたか子どもたちに尋ねると、子どもたちからは、「宇宙の世界」と答えが返ってきました。そこで、等身大の宇宙服を着た自分や、エイリアンを描いたり、宇宙の音作りを行ったりして、宇宙の世界を五感で味わうことができました。作って終わりではなく、描いた壁面の好きな場所を撮影した写真を丸く切り取り、つなぎ合わせることでモビールのような作品づくりをしたり、出来上がった空間で給食を食べたりして、様々な形で生活と繋ぐことができました。ペイントを通して、友だちの新しい一面を発見したり、新しい描き方を学んだり、子どもたちにとっても、教師自身にとっても、本当にかけがえのない思い出づくりをさせていただきました。(前田先生)
学校の壁という本来描いてはいけない場所に、初めて子どもたちが描いていくときはどのような反応でしたか?
2年生は、「スプラトゥーンをしよう!」というテーマで、最初の活動を行ったので、子どもたちは全身を使って、発色のよい絵の具の色を楽しみ、描いていました。最初は恐る恐る塗っていた子どもたちも、だんだんと自分の世界に入り込み、色を自由に選び、自分の思いを放出させていました。それを繰り返し行うことで、重ねた色と向き合ったり、色の付き方に面白さを感じたりしていました。心と身体を完全に解放した子どもたちは、手や足、顔にも色を付けて、「やりきった!」という満足そうな顔でした。(前田先生)
子どもたちが撮影した写真や、撮影している様子をご覧になっていかがでしたか?
撮影している姿は子どもらしくてよかったです。アングルやポジションを工夫して撮影することができていました。
また、今回はその場でポスターを作って下さるということで、子どもが撮った写真の中から、どれを自分のお気に入りの1枚にしようか一生懸命選んでいたのが印象的でした。実際にその場で印刷し、ポスターにしてくれたので、とてもうれしそうでした。リアルタイムでポスターになるのは子どもにとっていい経験になったと思うし、総合的にも普段できない経験ができてよかったです。(口坂先生)
保護者や卒業生、地域住民の皆さんの反応はいかがでしたか?
当日のお手伝いをしてくださる保護者がたくさんいて本当に助かりました。2日目は、午後から懇談会でしたが、ペイントを眺めてみて回る保護者が多く、お子様と一緒にペイントをする方もいらっしゃいました。出会った保護者は肯定的で賛同する方ばかりでした。(校長先生)
今後、「校舎の思い出プロジェクト」を多くの小学校にて展開をしていきたいと考えております。
このプロジェクトに今後期待することや、メッセージがございましたらお聞かせください。
子どもたちの思い出にずっと残るイベントになりますので、ぜひ取り組んでみてください。(校長先生)