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「くらし・しごと・社会」を支える episode02 「くらし・しごと・社会」を支える episode02

くらしを支える

ネットワークカメラ×AIが、
イチゴの収量の自動予測を可能に

花や実の画像を解析し、
イチゴの生育状況を数値化する

キヤノンMJグループでは、九州大学、大分県でイチゴ栽培を手掛けるアクトいちごファームなどと共同で、ネットワークカメラが捉えた花や実の画像からAIが生育状況を解析するイチゴ栽培のスマート農業ソリューションの開発プロジェクトに取り組んでいます。

これまで防犯・防災用途などで使われてきたキヤノンのネットワークカメラを、ビニールハウスに設置。ハウス内の約80カ所を定期的に定点撮影、画像解析のクラウド上にアップされたカメラ映像から、イチゴの収穫量を予測する実証実験です。

画像認識AIによって花や実の数、葉の大きさ、実の色など、映像からイチゴの生育状況に関する情報を数値化し、さらに温度や湿度などの環境データを基に解析処理が実行されます。
過去の同時期の生育状況との定量的比較した結果、例年より生育が遅れていることが分かれば、施肥の量、温度や湿度のコントロールといった対策を行い、生育を安定させることが可能になります。

膨大な手間の掛かる日々の生育情報を収集・比較するために
導入されたキヤノンのネットワークカメラ

収穫量予測により農家の経営を安定させる

この取り組みで重要なのは、生育状況の把握だけではありません。実や花の時系列推移を分析し、収量予測AIによって収穫適期と収穫量を予測することができるようになるのです。
現在の花の生育状況から、何日後にどの程度の収穫量が得られるかが明らかになれば、農家にとってより有利な条件で販売契約を結ぶことができる。結果、農家の経営が安定するだけでなく、安定生産を実現し、イチゴのブランド価値向上も期待できます。

これまで生育状況の把握は、目視による確認とベテラン農家の経験知に依存してきましたが、ICTを活用した新たな“スマート農業”の実現により、深刻な問題となりつつある農業の人手不足を補い、属人化していたスキルを共有可能な形式知とすることが可能になります。

今後も私たちキヤノンは、長年培ってきたイメージング技術とAIの活用によるスマート農業ソリューションの開発を進めることで、農業経営と食物安定供給などの社会課題に貢献していきます。

生産者は、スマートフォンなどの端末から解析結果を確認し、
データを活用して農作業や出荷計画を判断することができるように
  • 2019年7月掲載

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