このページの本文へ
 

「くらし・しごと・社会」を支える episode22 「くらし・しごと・社会」を支える episode22

社会を支える

重要な社会インフラであるデータセンターが
新たな価値を提供

コロナ禍による社会の変化やメガクラウドの成長を背景に
需要拡大が続くデータセンター市場

日本国内では約600サイトのデータセンターが稼働しているといわれ、現在も新設が続いています。コロナ禍を背景に企業の事業継続対策の強化やリモートワークの急速な普及、ECの活況。さらにグローバルにサービス展開するメガクラウド事業者に対して大規模なデータセンター設備をフロア単位などでまとめて貸し出すコロケーションサービスのニーズが伸びるなど、データセンターに対する需要は年々拡大しているのです。

こうした中、データセンターには、立地やファシリティ品質、延べ床面積、ラック収容能力、受電能力などのスペック。さらに、DR(災害復旧)やBCP(業務継続計画)にも対応した運営品質など、さまざまな付加価値も求められるようになっています。また、近年注目が集まるSDGs(持続可能な開発目標)や地球環境保護への積極的な取り組みも、データセンターを選定する際の基準になることが予想されます。

キヤノンITSの「西東京データセンター」は
高い安全性と付加価値サービスの提供が特長

キヤノンITソリューションズ(以下、キヤノンITS)は、「西東京データセンター」をITサービス事業の中核と位置付け、2012年10月に稼働開始。2020年10月には1号棟とほぼ同等の延べ床面積に約1.25倍のラック収容能力、約1.7倍の受電能力を実現した2号棟を新設しました。

西東京データセンターは都心から20km圏内の近距離にあり、都心との間に大規模河川がないことから災害時にもアクセスが容易です。立地する武蔵野台地中央部は地盤が極めて強固で、地震をはじめとする災害に関する東京都の調査でも最も危険度が低いエリアだと評価されています。高い安全性を誇る堅牢なファシリティも特長で、国内データセンターでは最高水準となる「ティア4」レベルの耐震・制震・免震設備を備えています。

西東京データセンター

キヤノンITSが運営する都市近郊型データセンター。自然災害の影響を受けにくい武蔵野台地に立地し、ティア4レベルの高性能ファシリティ、世界基準の運営品質を証明するM&O認証取得、充実したSEサービスが評価され、金融業、製造業、クラウド事業者など数多くの企業に利用されている。

ファシリティスペックだけでは評価できない、運営品質の向上にも力を入れています。例えば、データセンター設備の障害や自然災害の発生を想定した定期訓練は、顧客への通報・報告を含め年間300件以上を実施。さらにそうした監視や点検、訓練の集大成として毎年1回「総合連動点検」も行っています。こうした日々の運営品質向上の取り組みにより、西東京データセンターは、データセンターの運営品質を客観的に評価するグローバル基準である「M&O認証」を国内2社目に取得しています。

その他にも、国際標準化機構(ISO)が定めるITサービスマネジメントシステムに関する「ISO/IEC 20000」、事業継続マネジメントシステムに関する「ISO 22301」、環境マネジメントシステム「ISO 14001」、ISMS適合性評価制度「ISO/IEC 27001」の認証を取得。米国公認会計士協会(AICPA)が定めるグローバル基準の信頼性を保証する「SOC2 Type1保証報告書」を受領し、クレジットカード業界の情報セキュリティ基準「PCI DSS」にも準拠しています。

災害・障害発生を想定した定期訓練を実施

防災や減災のため、データセンター設備の障害や自然災害の発生時を想定した訓練を毎週実施。訓練シナリオ総数は300以上に及ぶ。毎年1回行っている大規模な「総合連動点検」では、災害や事故により発生する停電を想定し、電力会社からの給電停止時に発電機給電への切り替えが自動で行われることを確認している。

既存のデータセンターサービスの枠にとどまらないキヤノンITSならではの付加価値を提供するサービスも、西東京データセンターの特長です。例えば、IT機器をサポートする運用サービスを提供しています。通常のハウジングなどのデータセンターサービスでは、ラック内に設置したIT機器の運用は全て顧客側の責任範囲となりますが、IT人材の不足が社会問題となるなど、専任のIT担当者がいない企業も少なくありません。そうした企業のシステム構築から運用・保守までワンストップで任せたいというニーズに応えるサービスを提供しているのです。

特に近年大きな課題となっている、悪質化・巧妙化するサイバー攻撃や不正アクセスなどへのセキュリティ対策においても、「UTMセキュリティ運用支援サービス」の提供を行っています。これは、さまざまな機器からログを取得してセキュリティ脅威の監視や分析を行うSOC(Security Operation Center)の運用を行うサービスです。

ワンストップで企業のITシステムを支えるSEサービス

西東京データセンターでは、ハウジングやコロケーションといった一般的なデータセンターサービスに加え、キヤノンITSのクラウドサービス「SOLTAGE」や、外部クラウドサービスと組み合わせたマルチクラウド環境などのインフラ基盤、NOC(Network Operation Center)やSOCサービスを提供。システム構築から運用・保守まで、ワンストップで企業のITシステムを支える。
各分野のスペシャリストがIT部門を強力にバックアップ クラウド ネットワーク システム運用 システムインテグレーションにITアウトソーシングを組み合わせ、ワンストップで企業のITシステムを支える

データセンターの新たな選定基準となりうる
SDGsや地球環境保護に対しても積極的に取り組む

地球環境保護に対する企業や社会の意識は、今後も確実に高まり、サステナビリティへの貢献度がデータセンターの選定基準となることも予想されますが、西東京データセンターでは、SDGs(持続可能な開発目標)や地球環境保護に対しても積極的に取り組んでいます。

エネルギー効率に優れた設備や冬季の外気温が低い期間に熱源機器を稼働させずに冷水をつくる「フリークーリング」の導入や、熱源機器などのエネルギー分析を実施することでより高効率な設備運用を実現する「BEMS(ビルエネルギー管理システム)」の活用を行っています。また、事業部門とサステナビリティ推進部門、ビル管理業務などを委託している協力会社が合同で「CO2削減推進会議」を毎月開催し、こうした取り組みの改善を日々積み重ねています。

これらの活動が評価され、西東京データセンター1号棟は2021年3月、東京都環境局より地球温暖化対策の推進体制が特に優れた事業所として評価され、「優良特定地球温暖化対策事業所」(準トップレベル事業所)に認定されています。

データの格納および活用を支えるデータセンターは、いまや重要な社会インフラになりました。西東京データセンターでは、そのあるべき姿をファシリティと日々の絶え間ないオペレーションの両面から追求し、企業活動だけでなく社会生活をも支えていきます。

  • 2022年8月掲載

関連情報

取り組み一覧