画像はイメージです
多発する自然災害への対応は
ハードとソフトの組み合わせが重要
近年、自然災害の発生件数や被害額は増加傾向にあるといわれています。
中でも特に日本は自然災害が多く、ルーバン・カトリック大学疫学研究所災害データベースによると、1985~2018年の間に発生した自然災害による被害の総額3兆1707億ドルのうち、日本で発生した被害額は世界全体の14.3%を占め、被害額は4546億ドルにのぼるという調査結果もあるほどです。※
防災・減災については、以前は、河川の堤防強化や建物の耐震化など、ハード面で災害リスクを抑え込む取り組みが主流でした。
しかし近年では、首都直下型地震や南海トラフ巨大地震のように、発生頻度は低いが一度で数万人が亡くなるような甚大な被害が生じる低頻度巨大災害や、想定外の集中豪雨も多く発生するなど、これまでに経験したことのない自然災害への対応が迫られているのが現状です。
残念ながら自然災害の被害をゼロにすることはできません。そこで、ハードだけでなくITなどのソフトを組み合わせた対策が重視されるようになってきています。
例えば自然災害が起きたときに迅速に避難できるようする。また事前にある程度予測ができる場合には災害情報をスピーディーに広く伝えるといった取り組みです。
被害が発生した場合の被災者の救助や生活再建支援においても、ITの活用により、被害範囲や安否確認の把握、さらに収集された被災者支援情報のWeb配信や、被災者情報を集約し個人にあった被災者支援の実施が可能になるなど、ITが今後より重要な役割を担っていくことになるでしょう。
-
※
中小企業庁/「2019年版小規模企業白書」より作成
ITの活用により、立会調査対応の効率化や迅速な保険金支払いを実現
このように、今後自然災害に対するITの活用がさらに期待される中、キヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)は、損害保険会社向け「広域災害迅速対応ソリューション」を提供し、広域自然災害による被災者支援に貢献しています。
キヤノンMJは、損害保険会社向けのソリューションで20年以上の実績を有しています。最初に手掛けたのは、デジタルカメラで撮影した自動車の事故画像を整備工場から伝送してもらい、保険金を支払うための損害査定を効率化するサービスでした。現在は自動車事故だけでなく、広域自然災害向けのソリューションも展開しており、効率的な損害査定や迅速な保険金支払いをサポートしています。
「広域災害迅速対応ソリューション」の主なサービスには、災害時に電話がつながりにくい状況を改善するために被災者が保険金の申請から受け取りまでの手続きを動画で確認できる「支払プロセス動画配信」、損害調査の立ち会いが不要な場合に保険加入者が自分で被災状況を写真に撮って送るだけで査定手続きができる「損害画像共有システム」、損害査定の際に調査員の立ち会いが必要な場合、被災者との訪問日程調整から査定員をいつ、どこに、どのルートで派遣するのかを自動的に割り当てる「立会アポ&ルート最適化システム」、風水災時に、査定員が現場で浸水被害の情報をタブレット端末に入力するだけで保険金支払い手続きが完了する「水災立会アプリ」、被災地の保険金申請に関する手続きをデジタル化し、情報を迅速に共有・検索できる「電子保管サービス」があります。
このうち「立会アポ&ルート最適化システム」には、物流の最適化に関するソリューションでも応用されているキヤノンITソリューションズの数理技術を活用しています。
このように「広域災害迅速対応ソリューション」は、立会業務の効率化を図るとともに、保険金支払い期間の短縮を実現することで、被災者の生活再建支援に貢献しています。
損害保険会社向け「広域災害迅速対応ソリューション」
キヤノンMJは、これまで20年以上にわたる自動車事故向けソリューションの提供を通じて、損害査定や保険金支払いに関して損害保険会社が抱えている課題に常に向き合ってきました。
今後もお客さまの業務スタイル変革に必要なソリューションを提供していくとともに、「電子保管サービス」において電子化作業をBPO(Business Process Outsourcing)で受託するなど、新たなサービスにも注力したいと考えています。
また「広域災害迅速対応ソリューション」は、ニーズに合わせてサービスを組み合わせることが可能であり、中小規模の損害保険会社やダイレクト販売を行っている損害保険会社向けにも展開していく計画です。
これからもキヤノンMJグループは、ITと豊富な業務知識を生かしたソリューションを提供し、広域自然災害による被災者支援の迅速化に貢献していきます。
-
※
2020年9月掲載
関連情報
- 商品・ソリューション紹介ページ
取り組み一覧
-
episode 01安心・安全をめざす横浜を見守るネットワークカメラ
-
episode 02ネットワークカメラAIが、イチゴの収量の自動予測を可能に
-
episode 03写真やプリントすることの新たな価値を提供
-
episode 05金融業界の急速な変化に対応したソリューションで、業務効率化と営業力強化を実現
-
episode 06先進のイメージング技術で、世界遺産を“映像遺産”として記録する
-
episode 07ICTの活用が新たな“学び”の形を生み出す
-
episode 08キヤノンのイメージング技術と伝統工芸の技で伝える日本の美
-
episode 09先進のテクノロジーを活用し高精度な点検とインフラ維持管理の高度化を実現
-
episode 10数理技術などを活用したITソリューションが、食品ロス削減にも寄与
-
episode 11「持続可能な社会」を目指す、キヤノンの資源循環型社会実現への取り組み
-
episode 12ITと豊富な業務知識を生かしたソリューションが、広域自然災害による被災者支援の迅速化に貢献
-
episode 13模倣品対策に貢献するクラウドサービスが、お客さまの“安心・安全”と信頼性向上に寄与
-
episode 14「EOS」最高解像性能を実現する新たな「5」が撮影領域のさらなる拡大を実現
-
episode 15お客さまの多様なニーズに応えるテレワークソリューションが、課題解決と生産性向上に寄与
-
episode 16巧妙化する脅威に対し柔軟に対応する「デジタルセキュリティソリューション」が、お客さまの課題解決に貢献
-
episode 17「数理技術」の活用で、物流の効率化や食品ロスの削減など、企業が取り組むべき社会課題の解決に寄与
-
episode 18MRシステム「MREAL」を中核とした「xRソリューション」でものづくりの現場を支える新たなインフラを提供
-
episode 19データマネジメントのワンストップサービスで、
企業のDX推進を支援
-
episode 20デジタル化の関門「契約業務」電子化をフルサポート
-
episode 21大学教育の質向上を支える教学マネジメントの基盤を提供
-
episode 22重要な社会インフラであるデータセンターが新たな価値を提供