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「くらし・しごと・社会」を支える episode21 「くらし・しごと・社会」を支える episode21

社会を支える

大学教育の質向上を支える
教学マネジメントの基盤を提供

「学修者本位の教育」への転換の基盤となるIR

少子高齢化にともなう生産年齢人口の減少、デジタル化やAIの普及による産業構造の変化など、将来を予測することが困難さを増している現在、高等教育を担う大学にも変革が求められています。学生が自律的に生き抜く力を身に付けられるよう「学修者本位の教育」への転換が進んでおり、その成果を客観的に評価しながら、より良い学修環境を提供し一人ひとりの成長を支えていくことの重要性が増しています。

2020年には中央教育審議会大学分科会から「教学マネジメント指針」というガイドラインが出されました。大学がその教育目的を達成するために行う管理運営について、方針に基づいた体系的かつ組織的な教育を展開するとともに、その成果の点検・評価を行い、教育の質および学修成果の向上に向けた改善を図るPDCAサイクルを回していく指針が示されたのです。この方策にしっかり対応できているかどうかが、大学の評価を大きく左右する時代となっています。
この教学マネジメントを最大限に機能させ、さらに推進していくためには、データを収集、蓄積、科学的に分析し、解決や改善につなげていくIR(Institutional Research)の開発が有効です。IRは教学マネジメントのPDCAを回していくエビデンスとなるものであり、大学のDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現するためのインフラともいえます。

このIRを担う人材はデータサイエンスに関する高度なスキルと、各大学が目指している高等教育の方策や学生の多様なニーズなど、大学という組織そのものの運営に関する知識と勘所を備えていることが求められていますが、人的リソースには限りがあるため対応に苦慮している大学が少なくありません。また、IR実践には巨額なIT投資が必要になることが多く、比較的小さな私立大学などが単独で臨むのは難しい状況です。そのため、複数の大学組織が連携し、そのチームの一員としてITベンダーを加えることが、有力な選択肢になるとみられています。

人材不足やIT投資に関する課題に応える
「in Campus IR」

こうした人材不足やIT投資の難しさといった課題に対し、キヤノンITソリューションズ(以下、キヤノンITS)では明治大学や東京大学など多くの大学で実績を重ねてきた教育機関向けソリューション「in Campus」シリーズの新しいラインナップとして、「in Campus IR」を提供しています。大学内に散在しているデータを教学マネジメントデータベースに統合し、分析ならびに可視化を行うことで、教育の質向上を支援します。

単なる支援ツールの提供ではなく、各大学の環境や用途に合わせた多彩なサービスを提供しています。たとえば「基本導入サービス」では、教学マネジメントデータベースの構築を支援するとともに、プロトタイプとなる標準ダッシュボードを提供。人材が不足している大学でも短期間でデータ分析や可視化を行うことが可能となり、IRの運用を低コストでスタートさせることができます。また、独自のダッシュボードの追加はもちろん、各大学の環境に合わせてデータ連携の仕組みや出力レポートのカスタマイズといったご要望にも対応します。さらに、そもそもIRをどのように運用すればよいのか分からないという学校向けには、より上流からの「業務支援・コンサルティングサービス」を提供し、データに基づくエビデンス経営や活動をサポートしています。

将来的には教学マネジメントデータベースに統合されたデータを分析・可視化するだけでなく、学生一人ひとりにとって最適な学修プランを提案するレコメンド機能の実装も見据えています。コンサルティングからシステム構築、保守、定期的な運用相談といったサービスを組み合わせることで、継続的な「教学IR」の運用をトータルでサポートし、「教育の質保証」と「学修者本位の教育」の実現に貢献していきます。

「in Campus IR」概要図

「基本導入サービス」をはじめ、「データ連携サービス」、「ダッシュボード作成サービス」、「業務支援・コンサルティングサービス」といった各種サービスを用意し、各大学の環境や用途に合わせ導入が可能。
さらに、学生個人の学修成果の蓄積・可視化を行う「in Campusポートフォリオ」、学内に流通する情報を統合管理し、学生、教員や教務スタッフが情報を共有・発信する「in Campusポータル」など「in Campus」シリーズの各種サービスとの連携により、「教育の質保証」と「学修者本位の教育」の実現を支援する。
  • 2022年5月掲載

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