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「くらし・しごと・社会」を支える episode08 「くらし・しごと・社会」を支える episode08

くらしを支える

キヤノンのイメージング技術と
伝統工芸の技で伝える日本の美

最新のデジタル技術と、伝統工芸の技の融合により、
日本の貴重な文化財の保存と文化醸成に寄与

昨今グローバル化や来日外国人の増加など、急速な社会変化に伴い、時代を超え受け継がれてきた独自の日本文化が再認識され、その魅力を国内外へ積極的に発信していこうという動きがあります。

わが国が誇るべき日本の美を、人へ、未来へ、伝えていきたいー
そんな想いから2007年にスタートしたのが、「 つづりプロジェクト」(正式名称「文化財未来継承プロジェクト」)です。

本プロジェクトは、日本古来の貴重な文化財の保存と、高精細複製品の活用を目的として、キヤノンならびに特定非営利活動法人 京都文化協会が共同で行っているものです。

キヤノンの入力、画像処理、出力に至る先進のデジタル技術と、京都伝統工芸の 匠 たくみの技との融合により、屏風や襖絵、絵巻物など日本古来の貴重な文化財の高精細な複製品を制作。そうすることで、オリジナルの文化財はより良い環境で保存され、未来へと継承されていきます。また、高精細複製品が多くの人に貴重な文化財と接する機会を提供することで、日本文化の再認識へとつなげることも可能です。

オリジナルに限りなく近い高精細複製品の制作に、
キヤノンの技術が生きる

高精細複製品は、次のようなプロセスで制作されています。
屏風・襖絵を始め、日本古来の貴重な文化財を、まずはキヤノンのデジタル一眼レフカメラにより多分割で撮影します。
そこで得られた高精細デジタルデータにさらにキヤノン独自の高精度な色補正処理を施した上で、キヤノンの大判プリンター「imagePROGRAF」を活用して原寸大に印刷。
これに、必要に応じて伝統工芸士が金箔や表装を施すなど、デジタル技術と伝統工芸を融合させ、オリジナルの文化財に限りなく近い高精細複製品を完成させます。

こうした過程では、キヤノンの最新技術が大いに生かされています。
多分割撮影を可能とする独自開発のソフトウエアでは、精度0.1度で旋回台の動きを制御。撮影データは、レンズ収差による、ひずみやゆがみが緻密に補正され、画像処理時の劣化も最小限に抑えられます。
また、キヤノン独自の高精度なカラーマッチングシステムを用いて、撮影環境の照明とあわせて画像処理し、その場で色合わせを行うことで、制作時間を大幅に短縮。オリジナルの文化財にかかる負担を軽減することに成功。
さらに出力のための大判プリンターは、日本古来の絵画ならではの繊細な濃淡や、陰影が生み出す立体感、経年変化までも、忠実に表現することが可能です。

制作のプロセス

STEP1.入力

独自開発のソフトウエアを用いて、デジタル一眼レフカメラ、旋回台、ストロボを自動制御して多分割撮影を行い、貴重な文化財の高精細デジタルデータを取得。

STEP2.色合わせ

キヤノン独自のカラーマッチングシステムを用いて撮影環境の照明に合わせ画像処理を行い、その場で出力。すぐに忠実な色再現を実現。

STEP3.出力

高いプリンティング技術を誇る「imagePROGRAF」で出力し、繊細な質感を再現。使用する和紙や絹本は、綴プロジェクトのために独自に研究開発されたもの。

STEP4.金箔、 金泥 きんでい 雲母 きら

伝統工芸士の熟練の手技により、日本の文化財の最大の特徴である金箔、金泥、雲母を再現。経年変化の色までも表現。

STEP5.表装

京の職人に伝承されてきた確かな表装技術と表具により、オリジナルの文化財に忠実に再現され完成。

複製品の活用により、日本文化の醸成につなげる

これまでに制作された51作品(2019年12月時点)は、文化財の所蔵者や博物館、地方自治体などへ寄贈され、広く一般に公開されています。さらに、日本の歴史や文化を伝える生きた教材として、さまざまな場面で活用され、全国の小・中学校での出張授業や博物館での体験型展示など、従来のデジタルアーカイブにとどまらない新たな試みを進めています。
2019年10月には、公益社団法人 企業メセナ協議会が主催する「メセナアワード2019」において、特別賞「文化庁長官賞」を受賞。NPOや行政と連携し、幅広い層により深い文化体験ができる機会を創出していることや、技術力を進歩させ、時代の流れを捉えた活動の広がりと厚みにより、文化の発展に寄与していることが評価されました。

  • メセナアワードは、企業によるメセナ(芸術・文化振興による豊かな社会創造)の充実と社会からの関心を高めることを目的に、企業メセナ協議会により1991 年に創設。以来、前年度に実施されたメセナ活動を対象に選考および表彰が行われています。

これからも私たちは、先進の技術を生かし、貴重な文化財の保存と普及活動を推進することで、日本文化の継承と発信に
貢献していきます。

  • 2020年1月掲載

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